最近の電気のニュース

最近の電気のニュースで興味深いのが2つあるので解説してみます。

まずは

http://www.topics.or.jp/articles/-/87629

四国電力が5月に一瞬ですがすべて再生可能エネルギーで賄うことができた、という記事。

つまり需要の少ない5月のある日、太陽がサンサンで(夏至に近い5月は太陽光パネルが頑張ります)一瞬ですが太陽光、水力、バイオマスの発電量が需要量を超えたそうです。そのまま全部イケるのか、と言えば大きな間違いなのですが、とにかく初めてのことです。再生可能エネルギーが生活できれば最高なので、最高への第一歩という感じですね。

もうひとつは

https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180819/mca1808191303001-n3.htm

産経ビスに書かれているこのニュース。太陽光発電所たくさん作ったけど、これって18時くらいにだいたい終了するので、それ以降も暑かったりすると電気が足りないのでたいへんです。という記事です。まとめすぎですが、おおむねこんな感じ。

上の記事も下の記事も電気のメカニズムで「計画値同時同量」というポイント解説がないので誤解が出そうです。計画値同時同量というのは30分ごとに時間を区切って、その30分の全発電と全需要を同じになるように計画を立てましょう、という仕組みです。需要が多くて発電が足りないと停電しますし、電気は貯めるのは難しいので(夜間電力でダムに組み上げてあくる日に使うなど)これが重要です。

FITという再生可能エネルギー賦課金を使った再生可能エネルギー買取制度のおかげで、太陽光の強い時間帯は電気の需要安定しています。これを勘違いして電気が余っているという話が出ますが、夜6時とか7時にエアコン切りませんよね。だから夕方以降の電力ひっ迫が発生ます。電力卸売市場でも高値は夕方です。太陽光が増えたので夕方は発電しない発電所が多くなり、火力などは夕方に弱火にしたりなんてできませんからロスが多く、CO2も必要以上に出ちゃう。まだまだ改善の余地があるのが、電力の仕組みです。是非電気に皆さんのご関心を。

 

魅力的な水力発電を知ってください

おもしろい記事を読んだのでご紹介します。

グラハム・ベルが日本は水力発電で発展すると言っていたのは知らず、すごいキャッチーですね。

でもつかみだけでなく、この記事は日本の水力発電についてうまくまとめられていると思います。水力で発電される電力にはCO2がほとんど発生しません。燃料も要りません。太陽光のように夜や雨天は極端にパフォーマンスが落ちることもありません。ホントのクリーンエネルギーです。たった一つ、ダムを作る環境破壊を除けば。文中にも、これから作るわけにはいかないから、あるものをうまく活用しようと記載されいます。また、小中水力発電に触れてくれているのも嬉しいです。河川でおこなう小水力はネルギー的には全部合わせると日本の需要を賄えるとという試算もあるくらいです。

私達も将来的には発電をして売電をするような体制になりたいと思っています。それはmydenkiへのご質問で、オタクの電気は再生可能エネルギー比率は高くしないのか?というものが多いからです。寄付電気、見守り電気の次の次世代電気ビジネスは再生可能エネルギーの活用だと思っています。地球環境への貢献は社会貢献です。電気はエネギーは生活に密着しているのに、あまり知られていません。

ぜひ、エネルギーについて関心をお持ちください。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53762

またまた電気の誤解

またまた電気の誤解

先日のBLOGOSの記事(新電力で日本人は貧しくなる」の記事の間違いを指摘しました。まあ、この手のメディアは間違いでも書いたもの勝ち、と考えているので、せめてもの抵抗で間違いですよと、指摘しました。残念です。

で、またBLOGOS。書いている人はずっと前の総理大臣。菅さんの支持者の方もいるかもしれませんが、間違いは間違いです。

なぜ前代未聞の猛暑なのに電力不足が生じないのでしょうか。それは太陽光発電が普及したからです。

http://blogos.com/article/315183/

こんなこと書いたら、もしこれを信じた人は「節電しなくていいのか」(※エアコンを消すとか、そういう節電ではなく、使っていない無駄な電気を節約するです。暑いときは躊躇なくエアコンをつけてください。)と思ってしまいます。

なぜいちいちそんなにムキになるかというと、ひっ迫しているからです。

https://www.sankei.com/west/news/180718/wst1807180101-n1.html

ひっ迫もニュースになっています。これに加えて「ネガワット」という制度も実施されています。これは使うはずの工場などをひっ迫要請に対応して「休み」にするとその分他所に電気を回せる、発電力が増えたと同じ効果になるため、本来使用するはずの電気を電力会社に売却する制度です。私もちょっと勉強して「そんなひっ迫することなんてあるのか?」と思いましたが、まさにその時が来ました。

太陽光とか原発とか政治の話は割愛しますが、仮にも元総理経験者がひっ迫しているのに電気足りてる、余ってるというような世論誘導のような発言はいかがなものでしょうか?上に産経のリンク入れましたが、日経も毎日も書いています。産経嫌いが原因ではないような気がします(朝日は見つかりませんでした)

正しい情報を得て、貴重なエネルギーに正しい知識を持って欲しいものです。

代表取締役 岩瀬喜保

(ちょっと異論が出る可能性、批判が出る可能性のある記事だけ氏名を入れています)

またまた電気の誤解

おかしな記事なので意見を

当社のお客様及びこの記事をご覧のみなさまへ。

このブログはmydenki.comというサイトの販促及びSEO対策のための記事です。正直言って。そのため政治的なこと、電力の制度的なことはあまり書こうと思いませんでした。しかし、下記の記事、「電力自由化で日本人貧しくなる」はあまりにひどいのでコメントとして記事を書きます。アゴラというメディアです。

【GEPR】電力自由化で日本人は貧しくなる

この記事の「電気代が電力自由化で高くなっている」という表現。電力を自由化したら高くなった、という意味みたいですが、そうでしょうか?電力自由化移行10%が新電力の切替ています。高くなったら切り替えません。みなし電気事業者(言い方が変なんですが、東京電力さんのような昔からある大きな電力会社さんのこととお考えください)の電気代と比較して何%安くなります、とお客様に提示するのが電力自由化以降の平均的なスタイルですから。そしてその元値(みなし電気事業者)の価格推移グラフがあり、高騰したという印象操作をしています。それでは何を指して筆者は高くなったと言っているのでしょうか?このグラフには再生可能エネルギー賦課金と燃料調整費が含まれた価格です。これが、簡単に言えば原発を止めたから価格上昇した、という論調です。

再生可能エネルギー賦課金はFITの財源です。FITとはわかりやすく言えば、電気を買い取るから再生可能エネルギーへの切替の資金を民間で負担してください、という制度です。別に原発事故が起因ではありません。世界中で導入されている制度で、二酸化炭素の排出の抑制を受益者負担でするための制度です。中国は撤退したと言っていますが、中国は国が決めればそのまま進むスタイルですから、全部原発でもいいのかもしれません。でも、欧州やアジアについては再生可能エネルギーへのシフトが主流です。ベトナムは来年から導入されます。その中で、日本も中国と一緒に全部原発で行く!と言ってもダメでしょう。そんなことできるわけありません。筆者はよほど中国をリスペクトしているのでしょうか?だから再生可能エネルギー賦課金は地球の将来のための投資で、電気代の値上げではありません。その扱いがごっちゃになっています。

燃料調整費は燃料の調達価格を一定の開示された公式にあてはめて、利用者にご負担いただく制度です。電気の価格は需要と供給のバランスに加え、原油価格に概ね連動します。もし燃料調整費がなかったら、原油価格リスクを電気代に目いっぱい織り込みます。そして電気は暴騰します。織り込んだ分まで原油が上がらなかったら、電力会社は丸儲けという夢のような世界です(笑)そんなことにならないように、開示された一定の公式でお客様にご負担をお願いして、過剰なリスクを織り込まないようにしています。

上記の2つ、再生可能エネルギー賦課金と燃料調整費が加算された電気代が上がったと言って「電力自由化で日本人が貧しくなる」ということは間違いなのです。再生可能エネルギー賦課金と燃料調整費は電力自由化と関係ありません。また、FITをやらなければ世界中から我が国の環境問題への取組が疑問視されます。電気代が安くて二酸化炭素が出ない方法、と言うのであれば中国と手に手を取り合って100%原発を目指す方向です(中国も100%ではないですが)それに原発が本当に低コストなのかはまだわかりません。

アゴラはどうでもいいのですが、この記事を読んで頂いた方には電気というのが相当いろいろなシガラミで成立していて、それは心情的なものもあれば、原油のような相場的なものもあり、そして世界がとても関心を持っている先進国日本の環境への姿勢までがあるということです。そのため、他の国と比べて高いとか安いとか言う話はナンセンスなんです。その話ならビックマックの値段比べをやっていればいいので。ただ、電気は誰でも使うものなので、もっともっとその利用価値を高めていかないといけないと思っています。電気の話と政治の話、原発の話をすれば、個人的にはいくらでもできます。でも私は評論家ではないので、できもしないこと語っても無駄です。できること、実現可能ことで電気の価値を上げていこう、そう思っています。

今後ともよろしくお願いいたします。

代表取締役 岩瀬喜保

 

お正月からMYDENKI

お正月は都内でテレビを見ていました。東京ガスさんのCMでマイ電気を連呼してくれているので、ひょっとして間違ってこのサイトを閲覧している方もいらっしゃるのでは。このドメイン確か昨年の3月に取得しています。一緒.comも要りませんかね。東京ガスさん買ってください(笑)だって、
4日午前9時。東京都新宿区にある東ガスのコールセンターに問い合わせの電話が殺到した。聞き手の関心はガスではなく、この日契約の受け付けを始めた電気だ。2時間半で問い合わせは約300件にのぼった。
(5日日経新聞より抜粋)
2時間半で300件です。これって流したCM量から言ったら殺到している感じはないですが、おそらく着信がオーバーフローしたのでしょう。個人宅向け電気(低圧)市場は8兆円。ですがこれ純消費ですから相当デカいです。正月明けからCMはソフトバンクも売っていました。東急電鉄は駅張り等です。
前から書いているように電気だけではそんなに安くなりません。何とセットになるか、どんなおまけがついてくるか、がポイントです。基本1年縛りですから、4月までの間もしくは5月くらいまでにいろいろなメニューを比較して、一番安いところ契約すればいいのですが、携帯のように2年縛りと1年縛りが交錯していつ解約しても解除金がでる恐れもありますよね。
今はいろいろ見比べてみましょう。

電気でポンタ

ローソンも新しく電力販売をすることになりました。ダイアモンドパワーとポンタやっている何とかマーケティングと組んで、電気のコンビニ窓口販売をするようです。
ポンタはたしか1%の付与率です。だから20000円の料金を払うと200円貰えます。年間240円。この間書いた東京ガスが1万円ちょっとの家庭で5000円ダウンですから、たぶん本体(電気そのもの)も安くなって、だいたい5000円くらいと同じになるのでしょう。
おそらく、このパターンが主流になると思います。TとかBICとか世の中ポイントで溢れていますから、ポイント顧客を持っている企業はこの辺で投資回収の機会とみて参入するでしょう。
整理してみると
ポンタパターン:ポイント顧客にポイント付与、電気の値下げ含めて5000円/年のメリット
東ガスパターン:何かとセットで販売、たぶん携帯各社もコレ。ケーブルテレビなんかもそうですね
東急電鉄パターン:東急電鉄の何かとセットにしそう
ガソリンスタンドぱたーん:たぶんガソリンスタンドの会員と一緒で会員になるとちょっとやすい。みたいな。
こんなものなんでしょうか?
ぜんぜん面白くないです。
ちょっとやってもったいないからここでご披露していない、海外に事例はもっと多岐に渡り、企業側もリスクを取るようになっています。ドイツは前払い方式が結構あるようです。一括前払いするとその間は電気代が一定。為替も原油も関係ない。そういう奴が欲しいですね。自由化と言っているのですから。24万払えば電気代は払わなくてもいい、値上げとか関係ないみたいな。
電力自由化で問われるのはちょっと安くするとかではなく、消費者が得をするという視点が(損するかもしれませんが)必要ですよね。