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このブログはmydenki.comというサイトの販促及びSEO対策のための記事です。正直言って。そのため政治的なこと、電力の制度的なことはあまり書こうと思いませんでした。しかし、下記の記事、「電力自由化で日本人貧しくなる」はあまりにひどいのでコメントとして記事を書きます。アゴラというメディアです。
この記事の「電気代が電力自由化で高くなっている」という表現。電力を自由化したら高くなった、という意味みたいですが、そうでしょうか?電力自由化移行10%が新電力の切替ています。高くなったら切り替えません。みなし電気事業者(言い方が変なんですが、東京電力さんのような昔からある大きな電力会社さんのこととお考えください)の電気代と比較して何%安くなります、とお客様に提示するのが電力自由化以降の平均的なスタイルですから。そしてその元値(みなし電気事業者)の価格推移グラフがあり、高騰したという印象操作をしています。それでは何を指して筆者は高くなったと言っているのでしょうか?このグラフには再生可能エネルギー賦課金と燃料調整費が含まれた価格です。これが、簡単に言えば原発を止めたから価格上昇した、という論調です。
再生可能エネルギー賦課金はFITの財源です。FITとはわかりやすく言えば、電気を買い取るから再生可能エネルギーへの切替の資金を民間で負担してください、という制度です。別に原発事故が起因ではありません。世界中で導入されている制度で、二酸化炭素の排出の抑制を受益者負担でするための制度です。中国は撤退したと言っていますが、中国は国が決めればそのまま進むスタイルですから、全部原発でもいいのかもしれません。でも、欧州やアジアについては再生可能エネルギーへのシフトが主流です。ベトナムは来年から導入されます。その中で、日本も中国と一緒に全部原発で行く!と言ってもダメでしょう。そんなことできるわけありません。筆者はよほど中国をリスペクトしているのでしょうか?だから再生可能エネルギー賦課金は地球の将来のための投資で、電気代の値上げではありません。その扱いがごっちゃになっています。
燃料調整費は燃料の調達価格を一定の開示された公式にあてはめて、利用者にご負担いただく制度です。電気の価格は需要と供給のバランスに加え、原油価格に概ね連動します。もし燃料調整費がなかったら、原油価格リスクを電気代に目いっぱい織り込みます。そして電気は暴騰します。織り込んだ分まで原油が上がらなかったら、電力会社は丸儲けという夢のような世界です(笑)そんなことにならないように、開示された一定の公式でお客様にご負担をお願いして、過剰なリスクを織り込まないようにしています。
上記の2つ、再生可能エネルギー賦課金と燃料調整費が加算された電気代が上がったと言って「電力自由化で日本人が貧しくなる」ということは間違いなのです。再生可能エネルギー賦課金と燃料調整費は電力自由化と関係ありません。また、FITをやらなければ世界中から我が国の環境問題への取組が疑問視されます。電気代が安くて二酸化炭素が出ない方法、と言うのであれば中国と手に手を取り合って100%原発を目指す方向です(中国も100%ではないですが)それに原発が本当に低コストなのかはまだわかりません。
アゴラはどうでもいいのですが、この記事を読んで頂いた方には電気というのが相当いろいろなシガラミで成立していて、それは心情的なものもあれば、原油のような相場的なものもあり、そして世界がとても関心を持っている先進国日本の環境への姿勢までがあるということです。そのため、他の国と比べて高いとか安いとか言う話はナンセンスなんです。その話ならビックマックの値段比べをやっていればいいので。ただ、電気は誰でも使うものなので、もっともっとその利用価値を高めていかないといけないと思っています。電気の話と政治の話、原発の話をすれば、個人的にはいくらでもできます。でも私は評論家ではないので、できもしないこと語っても無駄です。できること、実現可能ことで電気の価値を上げていこう、そう思っています。
今後ともよろしくお願いいたします。
代表取締役 岩瀬喜保